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イタリア

コモ湖畔の書斎から2 dalla finestra lariana2

2017 11 18 おっと
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EPSON R-D1xNOKTON40mmF1.4

先日キッチンを新調することになって、コンロをどうするかで迷った。最近は,IHという電気調理器がどうも便利なようで,歳もとってガスを消し忘れることもあるだろうし、安全を考えると電化しておいたほうが良いのかと考えた。しかし,本当にガスの直火のように調理ができるのだろうか,火が見えないというのは付いていることも分からないので逆に危なくはないのだろうかとも思った。使っている人の話を聞けば,アルミのフライパンなどには使えないという欠点はあるものの調理には全く問題ないという。ここは、「技術の進歩」に席を譲って,IHにしようかとほぼ決めた。ガスコンロに火を付けてお湯を沸かそうとしてふと気が付いた。自動点火装置のついていない今の古いコンロは,ガスライターに火を付けて,バルブをひねり火を付けから火加減を調整するという、随分面倒な事をやっているのだけれども、火を見ながら火加減を調整するというのは、ある種の「快感」なのだ。それはどうも、マッチに火をつけたり暖炉に火をつけて上手に燃え上がるように薪をいじったりする時に感じるのと同種のもので、火を見る事,炎を見る事自体が人にとってはとても魅力的な事だ。火は火事など怖い面もあるけれども、調理だけでなく、暖をとったり、灯りとして闇夜を照らしたり,様々な加工に使ったり,宗教的な行事にも主役となったり、と水と同じように人にとっては火は欠かせないモノで、人が生きることと根源的な結びつきがある。だからこそ、火を見ることは人にとっては「快」なのだ。どうしてこのような火を見る快感を諦めなければいけないのか、という考えがよぎった途端,あ、やっぱりガスコンロにしようと決めた。できれば薪の窯で調理したいと考えているくらいの自分が「技術の進歩」に惑わされてしまって、全く馬鹿なことを考えたものだと飽きれてしまった。大事なことは「技術」に振り回され生活を利便にする事ではなくて,生活することに「意味」を見いだし豊かな時間を過ごしていくことなのだから。























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by kimiyasuII | 2017-11-17 22:52 | Comments(2)
Commented by masaaki at 2017-11-20 12:37 x
そうですね。以前私に住宅の設計を依頼して下さったかたで、子供が火を見ないで育つのは良くないと思うのでIHでなくガスコンロにします、と言うかたが居ました。
Commented by kimiyasuII at 2017-11-21 00:40
全てに当てはまりますが、五感に直接訴えるようなものが建築からドンドン消去されているように思います。例えば本物の木とプリントした木の違いは、高度な技術で視覚上はほぼ同じでも、香りや感触は再現できません。文化全般がどんどんバーチャルなものへと移行しており、本当のものが何であるか失いつつあるように思います。