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イタリア

コモ湖畔の書斎から2 dalla finestra lariana2

2018 06 12 米朝会談
Vedo Laura arrivare in bicicletta sulla strada.
"Ciao, Kimi. Come state?"
"Bene,Da tanto tempo non ci vediamo. voi?"
"Bene bene.Che bello, tuo cane. Come si chiama?"
"Leo, sono contentissimo di averlo"
"Lo so, il cane fa tanta compagnia."
"No, non fa compagnia, è la vita."
"Hai ragione."
"Lavoro?"
"Sono in crisi, ho scelto il mestiere scomparire. Come sai, tutti comprano i mobili di Ikea."
"Eh, si. Sono unico che ha deciso escludere dalla casa i mobili di Ikea. Sapevi che abbiamo cambiato la casa?"
"Si, dove?"
"A Blevio. Perche non venite a trovarci. E' vicinissimo."
"Sii, se a Blevio, possiamo venire con la bici"
"Ok, vi aspettiamo. Ci sentiamo, ciao ciao"
"Ciao"

歩いていると向こうから自転車に乗ったラウラがやってきた。
L「チャオ、元気?」
K「チャオ、ラウラ、元気元気。久しぶりだけど、そっちは?」
L「元気にやってる。なんて可愛い犬なの、名前は」
K「レオ、本当に犬を飼って良かった。」
L「分かってる、犬はいつも一緒に居てくれる。」
K「一緒に居てくれるなんてもんじゃない、生活そのもの。」
L「たしかに」
K「仕事は」
L「結構大変。仕事を間違えちゃったみたい。ご存知のとおりみんなイケアの家具を買うから。古い家具修理する人なんてもういない。」
K「きっと世界中で唯一自分くらいだ、イケアの家具を家から排除するって決めたのは。ところで家変わったの知ってた。」
L「知ってたけど、何処なの」
K「ブレーヴィオ、今度は近いからいつでも遊びに来なよ」
L「行くよ、ブレーヴィオなら自転車で行けるじゃん」
K「待ってるから。電話して、チャオチャオ」
L「チャオ」

イタリア人ってどんな生活をしていて何を考えているのだろうかというと、こんな感じだ。道で久しぶりに会った古い家具の修復をしているラウラと交わした会話から何となく伝わると思う。
日本語には、男、女言葉があるし、尊敬語なんかもあって、日本語訳にするとニアンスが変わってしまいどうもちょっと違うのだけれども、これはどうしようもない。イタリア語は、日本語と比べると随分「乾いて」いる。基本的に、主語、動詞、目的語と、文章の構造がしっかりしていないと言葉にならないから、きちんと話さなければならないし、まず言葉によって上下、男女、老若の関係を固定しまうようなこともないから、自然に言葉のキャッチボールできる。そんな「言語」の違いはあるにしても、イタリア人の生活の「空気」はこんな風だ。
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SIGMA SD-15 70mmF2.8

突如,新幹線で同席した人が刃物で襲ってくる、なんて事件が起きるとそれはイタリアでは起きにくいんじゃないかと思う。嫉妬に逆上したオットが浮気していた妻をホウムってしまうなんて事件は良くあるけれども。おそらく新幹線の犯人になかったのはラウラとの会話のような「日常」で、それは一見「簡単」のことであるようでも、思いのほか難しい。弱肉強食の「グローバル市場主義」や、官僚、大企業を頂点にする「学歴、出世主義」が、家族や社会からこぼれ落ちてしまった人には随分冷たい社会になるのは当然で、それはどんどん加速している。

防犯カメラをとりつけたり荷物検査をしてもそれが対処療法である以上、こんな事件は減らない。様々な法律や制度をもうけて弱者が救い上げられるような社会の「仕組み」を作っていかないと。そして何より「意識」が変わらないと。

しばしば起きるアメリカの銃の乱射事件を、まるで対岸の火事のように見ているけれども、銃はあくまで手段であり、原因は共同体の仕組みと価値観そのものにある。こんな事件が起きると日本にも全く同じ構図を重ね合わせることができる。













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by kimiyasuII | 2018-06-11 23:55 | Comments(2)
Commented by BBpinevalley at 2018-06-24 14:23
5分くらいかかりましたが、イタリア語で読むことができました(笑)
私たちも、農夫になる前はイタリアの家具を売る商売を営んでいたので、頷きながら読みました。

新幹線の中で襲いかかった人がいたのですね。
日本、規律社会のひずみが目立ち、切れてる人が多いですね。
アメリカでの銃は、確かに手段でしかないでしょう。
日本にそんな手段がなくて良かった。
イタリアはその点、健康ですね。
Commented by kimiyasuII at 2018-06-27 17:09
かなり古いものを大事にするイタリアでもこんな状況なので、世界を席巻する巨大メーカーの力はどうにも止める事ができませんね。
銃の無い筈の日本でも、警官から銃を奪い取り殺人を犯すという犯罪が、つい3、4日前に起きてしまいました。