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イタリア

コモ湖畔の書斎から2 dalla finestra lariana2

2018 12 06 ティラミス
今朝、ティラミスを作った。仕事に行く前に少し時間があったから。卵を三つ、黄身をマスカルポーネチーズとまぜ、砂糖をおさえるために甘味料を少しいれた。別に白身を固くなるほど泡立てる。両者をかき混ぜてクリームが出来上がる。その間に、コーヒーを大きなモカ5人用で入れる。準備ができたらサボイアルディというサクサクのビスケットを冷ましたコーヒーに軽く浸けて、ガラスの丸い器に、クリーム、コーヒーに浸けたサボイアルディ、クリーム、サボイアルディ、クリーム、サボイアルディ、最後にクリームで覆って完成だ。ラップで蓋をして、冷蔵庫に入れる。さて、昼休みに帰った時に、食べることにしよう。楽しみだ。
これで十分じゃないかなと思う。30分もかからないし、お金だってきっと2ユーロも掛かっていない。それで、料理をする楽しみと、食べる楽しみ、を味わえるんだから。こんな簡単なことを毎日積み上げていけば、毎日満足している。
だから僕は日本は、もう十分に成熟した社会になったし、国としてはもし均等に富みを分配すれば、貧しい人はいなくなるほどに豊かな国になったのだから、発展途上国みたいに第一看板が「経済発展」なんて言わずに、ティラミスを平日の朝に、ちょっと作って満足する人がいたり、他のことで満足したり、散歩したり読書したり、家庭菜園したり、まあたまにはレストランで食事なんかもしたり。そんな日常生活の中に個人の価値観を実現できるような社会を目指せば。
電気が足りなければ、省エネすれば良いし、何も真夏のぶっ倒れそうな時にオリンピックをやらなくても、昔を懐かしんで、万博をやったり、時速500キロで地下を吹っ飛んでいく電車を作ったり、そんな華やかなことをしなくても、長い歴史をもった日本人は十二分に楽しくて幸せな生活を築くことができると思うのだろうけどな。
ひょっとしたら、「発展途上」の幼稚な人たちが日本を動かしているのかな。
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こんな素晴らしい日常茶器だって、日本にはそのあたりにゴロゴロ転がっている。帰国した際に、義母のキッチンでもう20年以上眠っていた子鹿田焼きの土瓶と湯呑を頂いてきた。こんな完璧な色はイタリアのどこを探しても見つからないし、形だって飛び切り完成している。そして毎日それでお茶を飲めるというのだから、これはもうオリンピックで金メダルを取ったり、ノーベル賞をもらったりすることよりも遥かに日本国の奇跡だ。












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by kimiyasuII | 2018-12-07 02:11 | Comments(0)